バンコク一古い日本料理屋
ファランポーンからタクシーで5分ほどのところに日本料理屋『花屋』はあります。『花屋』はバンコクで現在も営業する日本料理屋の中では最も古く、その歴史は戦前に遡ります。今でこそ、バンコクの中心はスクンビットであることに誰も異論を唱える余地はありませんが、戦前のバンコクの経済の中心は間違えなくファランポーン駅界隈だったことは以前の記事(→URL)に書いた通りです。まだまだ交通の便に乏しく、ロジスティクスが未発達な戦前に於いて、そのファランポーン駅界隈に鎮座するこの日本料理屋は戦前のバンコク日本人社会の中心であったと同時に、遠い祖国の味を提供してくれる貴重な存在でした。
ファランポーン駅からタクシーで移動がオススメ
お店の一は若干入り組んだところにあるため、ファランポーン駅から歩いていくことはあまりお勧めできません。タクシーに乗りましょう。運転手によっては場所を知らないことがあるほどマイナーな裏路地に面しているため、住所を言っただけではわからないと言われる可能性があります。下にお店の名刺に記載されている地図を載せておきますので紙に印刷するか、スマホで写メを撮っておいて運転手に見せましょう。地球の歩き方などの地図があれば事前に位置を書き込んでおいて見せるという手もあります。私の場合は、住所を記載したメモしかなかったため運転手が店に電話をかけてくれ何度かのやり取りの後にようやく場所が分かり、連れて行ってくれました。
ファランポーン駅タクシー乗り場から『花屋』へ向かう
バンコクは別名でクルンテープ「天使の都」といいタイ文字ではそう表記されている
入り口は若干分かりずらい
建物左奥に正面玄関がある
正面玄関横の看板
戦前からここで営業をしている
寿司シャリに使うコメにタイ米をつかうこだわり様
所謂日本式本格レストランでは、食材を日本のみのものに拘り、食材全てを日本から輸入しているなどという場合があります。しかし、『花屋』では、タイでは需要が無いため日本でしか陸揚げされない魚や、日本独自の野菜などは除き、可能な限りタイ産を使う地産地消を目指しています。「タイに根付く日本食」を目指しそれを体現しているのがこの料理屋なのです。日本で1990年代前半に冷夏でコメ不足となり、多くの輸入米を受け入れたことがありました。その際タイ米は日本のジャポニカ米とは違い、水分がすくなく、嫌煙されました。もちもちしたジャポニカ米と違い、タイ米はパサパサしているため、ピラフやチャーハンなどの料理には適している反面、日本食のような水分を含むモチモチさを求められる料理にはあまり適さないと言われました。しかし、日本食には合わないかのように感じるタイ米を上手に寿司に利用している当店は「タイ文化に溶け込んだ日本食」を体験できる大変貴重なレストランと言えるのではないでしょうか。因みに店主は日本人とタイ人をご両親にもつ方で日本で修業をされたとのことです。
新鮮な地魚とタイ米で握る寿司は、超絶品!
お通しのシラスをライムで和えるところがタイ風
日本料理として全く違和感なし
タイの看板ブランド・シンハビールが濃厚で美味い
戦前から変わらぬ味を守ってきたスキ焼き
今も変わらず知る人ぞ知る名店
嘗てほど日本人客でにぎわうことは無くなったそうですが、今では現地タイ人で日本料理が好きな富裕層が集う店となっています。店の周りは今では住宅街になっていまい、盛り場といった雰囲気は皆無ですが、店内は盛況で夜になると連日ほぼ満席です。二階の座敷席もあり、ちょっとした会合などにも使われるお店として寵愛されているようです。とはいえ、日本人にとってはやはり現地価格であり、比較的安い値段で食べられる「周らない寿司」だと思います。(値段にして大体3000円でお釣りがくる位です。)このレベルの質の寿司を銀座で食べれば一万円を出してお釣りがくる位は取られるのではないでしょうか?寿司以外にも日本食の定食などがあり、昼であれば120B(約400円)から揃っています。ファランポーン駅付近に足を延ばすことがあれば是非一度は訪れたい日本料理屋です。
683 Si Phraya Rd.
0-2233-3080
0-2234-8095
営業11:30~14:00
17:30~22:00
休日:第2第4日曜日
HP:http://www.jyaaku.com/ad/hanaya/
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